【元採用担当が解説】転職に有利になる!?企業が求める資格や職務経歴とは?

転職リズム

「資格があれば転職に有利になる」と聞いた事はありませんか?

確かに資格や職務経歴はあるに越したことはありません。

ただし、応募先の業界や職種によっては全くアピール材料にならない事も。

大事なのは「応募先が何を求めているのか?」です。

元採用担当者の筆者が、企業はどんな視点で求職者の資格や職務経歴を見るのか。業界別に活かせる資格や職務経歴をまとめました。

資格や職務経歴の基本を押さえよう

企業から求められる資格や職務経歴には、2種類あります。

・取得しなければ応募ができない「必須資格/職務経歴(経験)」

・取得しなくても応募ができるが就職に有利な「歓迎資格/職務経歴(経験)」

必須資格とは、業務上の関係で取得が必要な資格です。例えば税理士・薬剤師・看護師など、法律上その資格がなければ応募ができないケースもあります。

歓迎資格とは、企業が歓迎するスキル・能力であり、取得していれば選考を有利に進められる資格です。

例えばTOEIC・簿記など、一定の能力を持つと証明する資格です。

資格以外だと企業によっては特定の「職務経験(例:マネジメント)○年以上」と設定するケースもあります。

転職活動をする前に、いま自分はどんな経験・職務経歴をもっているのか棚卸しするのがオススメです。

転職に有利な資格や職務経歴とは?

業界・職種別に、必須・歓迎の資格/職務経歴を、採用担当の目線で解説します。

幅広い業界·職種で活かせる資格/職務経歴

20~40代と年代に関係なく、以下の資格を持つと転職に有利です。

・普通自動車免許

・日商簿記検定

・TOEIC

・MOS

ビジネスでは、外回りをする営業職や支店への見回り時など、車移動が必要な場面も出てくるもの。普通自動車免許は持っておくと有利です。

日商簿記検定を取得するとお金の流れが理解できます。経理以外にも営業・一般事務・管理職にも心強い資格です。

TOEICは、外資系・メーカー企業など海外ビジネスを構える企業から人気の資格です。近年では海外展開をする企業が急増中なので、英語スキルは持っておきたいもの。求人票に求めるTOEIC点数以上の点数があれば書きましょう。もし求人票に点数の指定がなければ、600点以上であれば書くと良いです。

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、パソコン業務に必要なWord・Excel・PowerPointなど基本的なパソコンスキルの資格です。

報告書作成やデータ管理など、どの業界・職種でもパソコンを扱うため持っておくと便利です。

「やりたい事が分からない」と悩む方は、上記の資格を取得すると転職活動を少しでも有利に進められるでしょう。

IT業界に有利な資格/職務経歴

・ITパスポート

・基本情報技術者

ITパスポートや基本情報技術者とは、ITエンジニアの基本的な資格です。

プログラム設計・開発・テストと幅広い知識が必要なので、IT業界を目指す時はまずITパスポートに挑戦し、基本情報技術者でさらに知識を深めると良いでしょう。

ただしIT業界では、資格より実務経験を重視されます。

なぜなら資格を取得しても、実務に活かせる知識は1割程度だと言われるからです。

IT業界未経験の人は、未経験OKな求人が多いプログラマー・システムエンジニアから始めると良いでしょう。プログラマーの需要が高いため、求人数も多いのです。

実務経験がある人は、応募先が求める条件と自身の経験が具体的にどう活かせるかアピールすると良いでしょう。

管理部門系に有利な資格/職務経歴

管理部門系とは、人事・経理・総務・法務など会社を管理する部門です。

性別・年齢を問わず幅広い層から人気があります。

オフィスワーク経験者の採用が有利なので、未経験で管理部門を目指す人は以下の資格を取得すると心強いでしょう。

・秘書技能検定

・中小企業診断士

秘書技能検定とは、社会人としての一般常識・ビジネスマナーを学べる資格です。管理部門は、電話や来客対応・書類作成・資料管理など仕事は広範囲。秘書技能検定を学べば管理部門の基礎を押さえられるでしょう。

中小企業診断士は、中小企業の経営コンサルの国家資格です。

経営・法務・運営管理など、管理部門に必要な知識を深く学べるため、管理部門の管理職を目指す人はぜひ取得しておきたい資格です。合格率約5%と高難易度なため、取得しているだけで大きなアドバンテージになるでしょう。

管理部門をさらに細かく見ると以下の通りです。

・人事:メンタルヘルスマネジメント検定・キャリアコンサルタント

・総務:ビジネスキャリア検定・衛生管理者

・法務:ビジネス実務検定・司法書士・行政書士

・経理:日商簿記検定・FASS検定

上記の職種が特に歓迎される資格です。

管理部門は業務の正確さが注目されるので、今までの経歴の中でミスをなくした実績あればアピールしましょう。

そもそも管理部門の求人数はかなり少ないので、転職サイト・エージェントの情報を常にチェックしましょう。

※参考

スタディング:中小企業診断士試験の難易度は?合格率・科目・学習スタイルから分析

https://studying.jp/shindanshi/about-more/more-difficulty.html

介護福祉業界に有利な資格/職務経歴

超高齢化社会に向けて介護福祉業界が注目されています。

介護福祉を目指す人は、以下の資格を目指すと良いでしょう。

・介護福祉士

・ケアマネジャー

介護福祉士とは、介護福祉業界の中でトップクラスの国家資格です。

未経験の人は、まず介護職員初任者研修と呼ばれる民間資格を取得すると良いでしょう。

ケアマネジャーとは、介護が必要な人の介護プランを作成する仕事です。

5年以上の実務経験が必要なので、専門知識を深めたい人・長期的なキャリアを進みたい人にオススメです。

介護福祉業界は、非常に需要が高いので経験・資格がなくても応募ができる求人もあります。

未経験の人は、なぜ介護福祉業界で働きたいのか熱意を伝えると良いでしょう。

※参考

厚生労働省:介護人材の確保・介護現場の革新

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000531297.pdf

まとめ

業種・職種別で活かせる資格・職務経歴を紹介しました。

応募先企業が求める資格や職務経歴を把握すれば、転職活動を有利にできるでしょう。

しかし、あれもこれもと資格取得すると採用担当から「やりたい事にブレがある」とマイナスな印象を与えかねません。

自分が本当に将来なにをしたいのか、キャリアの軸を決めてから資格取得をすると良いでしょう。

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